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第13回『このミステリーがすごい!』大賞、優秀賞を受賞して作家デビューをした神家正成のウェブサイトです。

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『このミステリーがすごい!』大賞研究ページ

受賞者、受賞作品、受賞データなどを紹介します

 このページは自分の母校とも言える『このミステリーがすごい!』大賞の研究ページです。大きく分けて『このミス』大賞と、『このミス』大賞作家に分類して研究しています。


 受賞者、受賞作品などの個別の正確な情報は、『このミステリーがすごい!』大賞公式ウェブサイトにて確認してください。
 このページは公的に公開されている情報を基に作成していますが、完全にすべての情報を網羅しているわけではありません(と予防線を張っておきます)。正しい、または最新の情報がありましたらTwitter、若しくは問い合わせフォームにてご連絡ください。
 それぞれ応用研究も準備中です。お楽しみに!

 ※一部、個人名を載せています。問題があるようでしたら削除しますので、ご連絡ください。

『このミス』大賞 基礎研究

 下記の表は、第18回(2019年10月発表)までの『このミス』大賞の応募総数、次回作に期待、1次通過、2次通過、受賞作、受賞作に隠し玉を足した作品の、応募回ごとの数字です。
「1次+次回作」は1次通過と次回作に期待の作品数を足したものです。上段の数字が通過作品数です。下段の%表示は、応募総数の何%が上の選考に進んだかの割合です。2次、受賞作、受賞作+隠し玉の欄の下段の%も通過率、受賞率です。
 2次の「1→2通過率」は1次選考から2次選考に進んだ作品の割合です。
 受賞作と受賞作+隠し玉にある受賞率とは、「2→」(上段)が2次通過からの、「1→」(下段)が1次通過からの受賞の割合です。

 ※第18回隠し玉は反映済み(2020/8/9)。

  応募総数 次回作に期待 1次 2次  受賞作  受賞作+隠し玉
次回作に期待 1次
+
次回作
1次
通過数
2次
通過数
1→2
通過率
受賞作数 2→
1→
受賞率
受賞
+
隠し玉
2→
1→
受賞率
 1回  163 0  13
8.0%
 13
8.0%
 6
3.7%
 46.2%  3
1.8%
 50%
23.1%
 4
2.5%
66.7%
30.1%
 2回  170 0  10
5.9%
 10
5.9%
 5
2.9%
 50%  2
1.2%
40%
20% 
 2
1.2%
40%
20%
 3回  202 18  26
12.9%
 8
4.0%
 6
3.0%
 75%  2
1.0%
33.3%
25% 
 2
1.0%
33.3%
25%
 4回  182 14  25
13.7%
 11
6.0%
 6
3.3%
 54.6%  1
0.6%
16.7%
9.1% 
 2
1.1%
33.3%
18.2%
 5回  268 16  29
10.9%
 13
4.9%
 7
2.6%
 53.9%  3
1.1%
42.9%
23.1% 
 3
1.1%
42.9%
23.1%
 6回  229 20  32
14.0%
 12
5.2%
 5
2.2%
 41.7%  2
0.9%
40%
16.7% 
 3
1.3%
60%
25%
 7回  278 18  33
11.9%
 15
5.4%
 5
1.8%
 33.3%  4
1.4%
80%
26.7% 
 4
1.4%
80%
26.7%
 8回  350 26 47
13.4%
21
6.0%
7
2.0%
 33.3%  3
0.9%
42.9%
14.3%
 5
1.4%
71.4%
23.8%
 9回  408 28  48
11.8%
 20
4.9%
 6
1.5%
 30%  3
0.7%
 50%
15%
 3
0.7%
 50%
15%
 10回  394 29  52
13.2%
 23
5.8%
 6
1.5%
 26.1%  2
0.5%
 33.3%
8.7%
 6
1.5%
 100%
26.1%
 11回  473 26  48
10.2%
 22
4.7%
 6
1.3%
 27.3%  3
0.6%
 50%
13.6%
 5
1.1%
 83.3%
22.8%
 12回  457 22  43
9.4%
 21
4.6%
 7
1.5%
 33.3%  2
0.4%
 28.6%
9.5%
 4
0.9%
 57.1%
19.1%
 13回  427 24  48
11.2%
 24
5.6%
 6
1.4%
 25%  3
0.7%
 50%
12.5%
 5
1.2%
 83.3%
20.8%
 14回  414 21  40
9.7%
 19
4.6%
 7
1.7%
 36.9%  3
0.7%
 42.9%
15.8%
 5
1.2%
 71.4%
26.3%
 15回  449 23  44
9.8%
 21
4.7%
 7
1.6%
 33.3%  3
0.7%
 42.9%
14.3%
 9
2%
 129%
42.9%
 16回  464 23  43
9.3%
 20
4.4%
 5
1.1%
 25%  3
0.7%
 60%
15%
 5
1.1%
 100%
25%
 17回  449 18  42
9.4%
 24
5.4%
 7
1.6%
 29.2%  3
0.7%
 42.9%
12.5%
 7
1.6%
 100%
29.2%
 18回  502 18  42
8.4%
 24
4.8%
 7
1.4%
 29.2%  3
0.6%
 42.9%
12.5%
 5
1%
 71.4%
20.8%
  応募 次回作に期待   1次  2次  受賞作 受賞作+隠し玉 
 平均  349 19.1  36.9  17.8  6.2  2.7    4.6  
 1〜7  1492 86  168
11.3%
 82
5.5%
 40
2.7%
 48.8%  17
1.1%
 42.5%
20.8%
 20
1.3%
 50%
24.4%
 8〜  4787  258  497
10.4%
 239
4.9%
 71
1.5%
 29.7%  31
0.7%
 43.7%
13%
 59
1.1%
 83.1%
24.7%
 合計  6279  344  665
10.6%
 321
5.2%
 111
1.8%
 34.6%  48
0.8%
 43.2%
15%
 79
1.3%
 71.2%
24.6%


1 受賞作品数・受賞率

 第18回時点で受賞作48編(大賞24編、優秀賞22編、U-NEXT・カンテレ賞2編)+隠し玉31編で、世に出した作品は、79編です
 大賞、優秀賞、U-NEXT・カンテレ賞(第17回より開始)の受賞作の平均は、2.7編(0.76%)。隠し玉込みで4.6編(1.26%)。応募者100人に一人の割合で出版しています。

2 応募作品数、予選通過作品数・通過率

 応募作品数の平均は349編。継続して増加傾向にあります。第8回で300、第9回で400を超え、その後ほぼ400台で推移していましたが、最新の第18回では、初めて500を超えました。

 1次選考通過作品の平均は17.8編。通過率は5.1%。第7回まで20編を超えませんでしたが、第8回以降はほぼ20台前半です。次回作に期待(第3回から始まりました)を合わせると36.9編。通過率は10.6%です。

 この数字は、他の文学賞に比べてかなり低いといえます。
 ちなみに第65回江戸川乱歩賞(2019年発表)は、応募総数354編。1次選考通過98編(27.7%)。2次選考通過21編(5.9%)。最終候補作品5編(1.4%)。受賞作は1作(0.3%)です。括弧内は通過率です。
 ちまたで言われている『このミス』大賞の1次通過は、江戸川乱歩賞の2次通過と等しいというのは、まさしく数字上からも、そのとおりと言えましょう。

 2次選考通過(最終候補)の平均作品数は6.2編。通過率は1.8%。1次から2次への通過率は34.6%。1次からは3編中、1編が最終選考に進む感じです。

 最終候補の平均作品数は、ここ数年、ほぼ7編で安定しています。最終候補から受賞する率は43.3%。
 最終候補の約半分は、大賞か優秀賞を受賞します。隠し玉も含めると71.2%です。
 最終候補に残れば3編中、2編は出版されるわけです。また隠し玉は1次選考通過作品からも選ばれています。
 単行本か文庫(隠し玉と第15回からの優秀賞)の違いはありますが、他の新人賞に比べ、最終候補まで行けば、何らかの形でデビューできる可能性が非常に高い賞といえましょう。

 ちなみに第10回の、「最終候補からの受賞率」が100%になっていますが、これは前年(第9回)の最終候補だった堀内公太郎さんの作品が、隠し玉として第10回の時に出版されたからです。

 第15回は超隠し玉ということで、過去の通過作品から3編出版されたので、129%(!)となっています。第16回、17回も1次通過作品から選ばれ、100%になっています。
 1次選考からの受賞率を見てみると14.95%。隠し玉込みで24.6%です。1次選考から5編中、1編は出版されるわけです。

 間口は狭いが、出口は広い、そんな賞ではないでしょうか。

おまけ

『このミス』大賞は、次回作に期待から選考委員の講評をもらうことができます。自分の投稿作品に対して、プロの書評家の方々からアドバイスがもらえるという、投稿者にとっては素晴らしい仕組みです。

 また講評には、応募に対しての心構えや、ヒントなどがちりばめられており、参考になることが非常に多いです。自分も投稿生活中は、第1回からの講評を何度も何度も読みました。
 最終選考委員は3名(来年の第19回からまた変更があります)。2次選考委員は3名。1次選考委員は8名です。何人かの方は重複しています。選考委員の方の詳細は『このミス』大賞ウェブサイトにて確認してください。

 応募原稿に最初に目を通されるのは、1次選考委員の8名の方々です。まさしく最初の出会いなわけです。
 そこで、どの選考委員の箱に割り振られた作品が受賞したか、というリストを作成してみました。もちろん、どの箱に入ったからといって差はありません。作品本位で選考は行われます。まあ、余興のようなものと思ってください。

 ちなみに第1回から続けて1次選考委員をされている方は、杉江松恋氏、膳所善造氏、古山裕樹氏、村上貴史氏の4名です。第3回から北原尚彦氏が、第8回から宇田川拓也氏、福井健太氏、第11回から土屋文平氏が加わりました。担当した期間がそれぞれ違うので単純な比較はできませんが参考にしてください。
 ちなみに自分は杉江松恋さんでした。

 1 大賞
  5作品 杉江松恋氏、北原尚彦氏
  4作品 膳所善造氏、古山裕樹氏
  3作品 村上貴史氏
  2作品 土屋文平氏
  1作品 福井健太氏

 2 優秀賞とU-NEXT・カンテレ賞
  6作品 福井健太氏
  4作品 村上貴史氏、古山裕樹氏
  3作品 杉江松恋氏
  2作品 北原尚彦氏、土屋文平氏
  1作品 膳所善造氏、宇田川拓也氏、名前不明が1作品あります。
  ※第17回から始まったU-NEXT・カンテレ賞は、2作品とも福井健太氏です。

 3 隠し玉
  8作品 村上貴史氏
  7作品 福井健太氏
  5作品 北原尚彦氏
  4作品 土屋文平氏
  3作品 杉江松恋氏
  2作品 膳所善造氏
  1作品 古山裕樹氏、宇田川拓也氏

『このミス』大賞作家 基礎研究


『このミス』大賞作家とは、『このミステリーがすごい!』大賞で大賞、優秀賞、U-NEXT・カンテレ賞、隠し玉、特別奨励賞(分類としては隠し玉に分類しています)でデビューした作家のことです。
 読者賞は第7回まで実施されていましたが、上記の賞と複合しますので統合しています。第1回の銀賞は大賞としています。

1 総作家数 79人。
  大賞 24人。優秀賞 22人。U-NEXT・カンテレ賞 2人。隠し玉 31人。

 実は隠し玉が最多です(!)。
 隠し玉は第10回の時に一挙に4名デビューしました。複数デビューも多く、第15回で超隠し玉を含め、6名の方がデビューして、最多勢力となりました。

 また大賞より優秀賞のほうが受賞者が少ないのです。大賞は毎回必ず受賞作があり、複数受賞も今まで6回あります。優秀賞も複数受賞は7回ありますが、受賞作なしが3回あります。

 最もデビューした人数が多いのが、第15回の9人で、少ないのが第2、3、4回の2人です。平均デビュー数は4.4人です。公募の新人賞としては多めと思います。

 ※降田天さん、くろきすがやさんはコンビ作家ですが、1人でカウントしています。

2 性別 男性62人。女性14人。女性の比率は22.6%。

 各賞別では、大賞は男性19人。女性5人。優秀賞は男性20人、女性2人。隠し玉は男性21人、女性7人。
 圧倒的に男性が多いです。特に優秀賞は女性2人です(第13回の辻堂ゆめさんが初めてでした)。

 ※性別は非公開&私が把握していない方もいます。

3 年齢 受賞時の平均年齢 37.8歳。現在の平均年齢 45歳。

 最年少受賞は、第4回の水田美意子さんの12歳です。
 最年長受賞は、第17回の井上ねこさんの65歳です。

 現在の最年少は第17回の日部星花さん。何と2001年生まれです!
 最年長は第17回の井上ねこさんです。

 生まれ年で多いのは、1969年の6名(ハセベバクシンオーさん、七尾与史さん、梶永正史さん、神家正成、柏木伸介さん、登美丘丈さん)。
 続いて5名の年が3つあります。
 1972年
(伽古屋圭市さん、高橋由太さん、堀内公太郎さん、城山真一さん、春畑行成さん)
 1975年
(深町秋生さん、桂修司さん、山下貴光さん、佐藤青南さん、田村和大さん)
 1963年
(深津十一さん、志駕晃さん、くろきすがやの那藤功一さん、福田悠さん、歌田年さん)
 
 1971、1973年が4名です。

 ※受賞時の平均年齢は、各年の10/1基準で計算しています。現在の平均年齢は2019/10/1基準です。生年月日は非公開の方もいます。

4 出身地 東京が7名。神奈川が6名。大阪が5名。青森、愛知、京都、福岡 4名。

 第18回から東京都が最多となりました。
 香川県(山下貴光さん、柊サナカさん、降田天さんの鮎川颯さん)は、『このミス』大賞県なのでしょうか? 人口比で考えると非常に多いです。

 地域別だと北海道、2名。東北、6名。関東、23名、中部、11名。関西、12名。中国、3名、四国、5名。九州、8名。台湾、1名。ドイツ、1名です。
 出身者がいないのが沖縄ですね。

 ※出身地は非公開の方もいます。