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第13回『このミステリーがすごい!』大賞、優秀賞を受賞して作家デビューをした神家正成のウェブサイトです。

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日々雑記BLOG

過去の日記

 新人賞を受賞してデビューした半熟新米作家が、本物の作家になるために悪戦苦闘する日々の呟きです。Twitterのまとめも多いです。

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2014年11月の日記

07日 韓国辞典「ホットク」
12日 自衛隊用語辞典「MOS」
18日 高倉健さんを偲んで
20日 隣国との関係
22日 娘の三者面談
24日 田丸雅智さんのワークショップ&サイン会

2014年11月7日 韓国辞典「ホットク

 急に寒くなりました。そんな中、韓国辞典に「ホットク」を追加しました。
 いつの間にか、もう11月です。今年も残りもあと2か月となりました。おかげさまで、今年はここ数年、年頭の目標で掲げていた夢を、ようやく実現できました。実際のデビューは来年──2015年ですが、神家正成の誕生日は今年(2014/8/29)です。来年は一体どんな年になるのだろうかと、期待と不安に押しつぶされそうな毎日です。
 残りの2か月を有意義に過ごし、来年も実りの多い年にしたいです。……なんて生真面目なコメントをしていますが、先週と今週は体調不良の上、心情が上がったり下がったりで、ジェットコースターのような期間でした。前回の更新から間が開いたのはそんな理由です(笑)。
 受賞したらすべての問題が解決される……そんなふうに考えていた時期が自分にもありました。まあ、そんなことはないですよね(笑)。新しい段階に昇ったら、当然、新しい問題に直面します。一生尽きることのない繰り返しなのでしょう。一歩一歩、今できる最善のことを為していくしかないと、再認識しています。頑張りますよ!

2014年11月12日 自衛隊用語辞典「MOS

 自衛隊用語辞典に「MOS」を追加しました。
ポリッシャー 最初のセンテンスは冗談です。ポリッシャーというのは説明が必要かも知れません。自衛隊の駐屯地の隊舎の居室や廊下は、掃除をした後、ワックスをモップなどで塗り、ポリッシャーという掃除器具で鏡のようになるまで磨き上げます。
 ポリッシャーとは要は磨き上げ器なのですが、扱いがとても難しいのです。スイッチを入れると下側に取り付けられた回転盤(ブラシが付いています)が回るのですが、ハンドルの上下だけで左右に操作するのです。慣れない人間が扱うと、あっという間にポリッシャーが、とんでもない方向へ吹っ飛んでいってしまいます。
 基本的に掃除は下っ端の仕事なので、新隊員はまずこれを覚えさせられます。特に営内点検の前などは、念入りに磨き上げないといけません。その他にはドアノブの金属部分などを、ピカールという磨き粉で磨き上げたりする仕事もあります。
 MOSの話が最後の方は戦車の話になってしまいました。戦車の話は始めると際限がなくなってしまうんですよね。自衛官は辞めても守秘義務──秘密を守る義務があるので、すべてはお話しできないのですが……。横倒しになったティーガー戦車を見て、変なこと呟きました。

 見事に引っ繰り返ったティーガーw。実は戦車はよく引っ繰り返ります。安定しているように見えますが、そうでもないのです。機甲科はほかの職種に比べ殉職者も多いです。
 私も何度か危ない目に遭いました。戦闘行動中は乗員は全員、戦車に篭もります。視界が非常に狭くなります。 側溝や、急な勾配などで行動不能になります。そうなった戦車を回収するための戦車回収車(下半分はまんま戦車です)という車両もあります。
 しかし、それ以上に多いのが履帯が外れる事故、特に74式戦車(ナナヨン)は、急激なハンドル操作など一寸したはずみで履帯がすぐ外れます。 私も経験があります。右に急ハンドルを切った際、大きな音とともに左の履帯が外れ、ぶっ飛びました。演習場ですから当然、人力で修復します。これのキツいこと、キツいこと。その晩は手伝って貰った隊員全員に、酒を奢る羽目になりますw。

 74式戦車(ナナヨン)の最大の秘密を暴露してしまったが、大丈夫なのだろうか……。また、政府インターネットテレビの「国際社会の平和と安定のために 海外における自衛隊活動のいま」という映像を見て、これまた自衛隊の任務について呟きました。

 これは自衛隊の海外活動を分かりやすく紹介していますね。自衛隊の任務は自衛隊法第3条に示されています。自衛隊員は全員暗唱できる条項です。私もいまだにそらんじることができます。自衛隊の任務は、主たる任務と従たる任務に分かれます。
 主たる任務とは「直接侵略及び間接侵略に対しわが国を防衛すること」要は国防のことです。 従たる任務には「公共の秩序の維持」──災害派遣などですね。それと、2006年に追加された国際平和活動のことです。国民がよく目にする、災害派遣、国際平和活動は実は自衛隊の主たる任務ではないのです。
 このことを勘違いすると、自衛隊の存在意義が揺らぎます。 そして国防という任務を考えるときには、敵に対して武器を向けるという――重みを常に考えなければいけません。自衛隊員は制服に袖を通した瞬間からこの問題を考えています。いざというとき、その覚悟があるのか、それが桜星の矜持なのです。

 これは自衛隊法の第3条1項、2項のことです。『深山の桜』の中でも触れています。

 1 自衛隊は、我が国の平和と独立を守り、国の安全を保つため、直接侵略及び間接侵略に対し我が国を防衛することを主たる任務とし、必要に応じ、公共の秩序の維持に当たるものとする。
 2 自衛隊は、前項に規定するもののほか、同項の主たる任務の遂行に支障を生じない限度において、かつ、武力による威嚇又は武力の行使に当たらない範囲において、次に掲げる活動であつて、別に法律で定めるところにより自衛隊が実施することとされるものを行うことを任務とする。
 一 我が国周辺の地域における我が国の平和及び安全に重要な影響を与える事態に対応して行う我が国の平和及び安全の確保に資する活動 。
 二 国際連合を中心とした国際平和のための取組への寄与その他の国際協力の推進を通じて我が国を含む国際社会の平和及び安全の維持に資する活動。

 災害派遣など、自然災害相手の戦いも当然大変なのですが、国防という任務の事態の時は、目の前で、敵と呼ばれる存在──要は生身の人間です──と対峙します。その時に任務に基づいて引き金を引けるのか? 他を護るために、他の生命を奪うことができるのか? こんな問題を自衛隊員は毎日、真剣に考えているのです。そして、一朝有事の時は、その行動ができるよう日々、訓練しているのです。
 もちろん、そのような事態が起こらないように、抑止力としての自衛隊は存在意義もあります。しかし、現時点では戦争は世界からなくなっていません。いつ何がきっかけで、最悪の事態が起こってしまうのか、誰にも分からないのです。
 人差し指が引かれる日、そんな日が来ないことを心より祈るしかありません……。

2014年11月18日 高倉健さんを偲んで

 高倉健さんの訃報を知る。納谷六朗さんも亡くなられた。先週は司馬さんの奥さんの福田みどりさんも死去された。一応、言葉を紡ぐ者なので、小説の一節を捧げました。

 健さん……、お疲れ様でした。そして、ありがとうございました。
浅田次郎さんの『鉄道員(ぽっぽや)』の1節を手向けの言葉として捧げます。

 乙松はセルロイドのキューピーを胸に抱いた。
「思い出したんだベさ。この人形、おっかあが泣く泣くおめえの棺箱(かんばこ)に入れたもんだベ」
「うん。大事にしてたよ。おとうさん、美寄で買ってきてくれたしょ。おかあさんがレースの服あんでくれて」
「そったらこと、おめえ……おとうは、おめえが死んだときも、ホームの雪はねてただぞ。この机で、日報(ヒノホ)書を書いてただぞ。本日、異常なしって」
「そりゃおとうさん、ポッポヤだもん。仕方ないしょ。そったらこと、あたしなあんとも思ってないよ」
 乙松は椅子を回して振り向いた。ユッコは赤い綿入れの肩をすぼめて、悲しい笑い方をした。
「めし、食うベ。めし食って、風呂へえって、おとうと一緒に寝るベ。な、ユッコ」
 その日の旅客日報に、乙松は「異常なし」と書いた。

 Twitterの字数制限であと一行が入りませんでした。このあと

 夜半に雪がやむと、幌舞のボタ山の上には銀色の満月が昇った。

 と続きます。今夜は有明の月でした……。
 この世の中に絶対の真実があるとすれば、それは人は必ず死ぬということ。愛する方々の訃報を耳にするたび、自分の人生の残り期間について考えます。間違いなく半分は過ぎているでしょう。それどころか、もしかすると明日、不慮の事故などで突然、この世を去るのかも知れないのです。
 そう思うと、一日一日がとても貴重です。「人は二度死ぬ。一度目は肉体の死。二度目は人々の記憶からの死」というツイートを多く見かけました。健さんはまだ多くの方の心の中で生きているのでしょう。そういう意味では司馬さんを始めとする方は、まだ私の中では生きています。
 私もそんな第二の生を送ってみたいです……。

2014年11月20日 隣国との関係

 河出書房新社さんの、選書フェアの第2弾『今、この国を考える~「嫌」でもなく「秘」でもない未来をつくる』のツイートを見て呟きました。

河出書房新社@Kawade_shoboさんのツイート】
 【書店様へ】小社では今年5月から開催し大きな話題を呼んだ選書フェアの第2弾『今、この国を考える~「嫌」でもなく「秘」でもない未来をつくる』を企画いたしました。前回の様子はこちらをご参照ください。togetter.com/li/667749 以下連投、敬称略にて失礼します。
 河出の対象書籍は想田和弘『熱狂なきファシズム』石牟礼道子『蘇生した魂をのせて』北原みのり・朴順梨『奥さまは愛国』磯部涼編著『踊ってはいけない国で、踊り続けるために』スタンレー・ミルグラム/山形浩生訳『服従の心理』赤坂真理『東京プリズン』以上6冊。さらにこれらの書籍はフェア用フリーペーパーにて紹介しております。現在フェア参加希望のお店を募集中です。お問い合わせは弊社営業部まで。
 前回のフェアは選書の趣旨として「現状」「今」に焦点を当てた本を選びましたが、今回は目前に在る問題を知るだけではなく、あえて日本のこれからの未来を考えることができるような、他者への想像力を働かせることに焦点を当てた本を選びました。
「今」そしてよりよい「これから」をつくるために、あえて未来を想像すること。そのためには歴史に学び、かつて、そして現在、人々が何を成し、何を考えたかを知ることが一番の手がかりとなります。
 書物には人間が積み重ねてきた大いなる遺産と叡智があります。日々本を読み考えるという営みから、私たちが未来をつくる糧を得ることができればと考え、こ のフェアを企画しました。ぜひこれらの本を手にとっていただければ幸いです。連投失礼いたしました。拡散などよろしくお願いいたします。

【それに対する自分の呟き】
 素晴らしい企画と思います。情報多寡のこの時代、自分が考える最善の判断をするためには、右、左、上、下、にとらわれない多くの知識を得る必要があると考えます。一つの同じ事象も表と裏から見れば全く違って見えます。
 自分が見ている現象だけを真実と思い込むのは、自分にとっても、他者にとっても不幸なこと。
 コマーシャリズムに流されず、自分の頭で考えるために必要なのは、多くの知識と想像力。知識には限界があります。大切なのは、他者の立場でその人が見る世界を想像する力。それができれば多くの個人間、国家間の問題は解決されると思います。
 そして想像力の翼を自由な大空に羽ばたかせるために必要なのは、多くの知識とそれをつなぎ合わせ新しい知恵を作り上げる創造力。結局、大切なのは「そうぞう力」。そしてそれを育むのは物語だと思うのです。そんな「そうぞう力」溢れる物語を書いていきたいです。

 まだ、一冊も本を上梓していない立場で生意気なことを呟きましたが、上記の想いは、物語を紡ぐようになってから、常に感じていることです。物語には力があります。一つ一つは小さな微かな力ですが、それが積み重なり、継続されるのであれば、驚くほどの力になるはずです。
 私はそれを信じています。

2014年11月22日 娘の三者面談

 今日は娘の学校で三者面談でした。帰ってきて呟きました。

 今日は高1の娘の学校で三者面談。えっちらおっちら、東武にょだ線と徒歩で1時間半(片道!)かけて学校へ。毎日こんな通学をしている娘を偉いと思う反面、申し訳ない気持ちに。近くに引っ越すことも考えたのですが、諸事情で柏のまま。大学受験に向け来年から文系と理系クラスに分かれる説明でした。
 娘の選択は文系。将来への大きな選択肢の一つを決めたようです。
まあ、私は娘と同じ歳の時には、高校生ながら小銃担いで自衛隊の道に飛び込んでいました。その時は、当然一生を自衛隊に捧げるつもりでした。それが、なぜか、依願退職し、韓国に行き多くの職業を経験して、作家デビューすることにw。
 まあ、人生ケセラケラ、なんとかなるよ、というのが私から娘に贈る言葉です。娘の決断にエールを送るとともに、多くの選択肢を選ばせてあげられるよう、サポートせねば、頑張らねばと思うのです。
父はいつも不機嫌な顔をしていますが、心の中はそうではないのですよ……とこっそり、呟いてみます。

 2年後、娘は大学受験です。ついこの間、幼稚園の裏の雑木林で、一緒にドングリを拾い集めていたと思っていたのに、時の流れは早いものです……。
 娘が中学受験を決意した時から、私も作家への道を模索し始めました。果たして2年後はどうなっているのか……。東葛の自然が残る車窓を見ながら、物思いに耽った午後の一時でした。

2014年11月24日 田丸雅智さんのワークショップ&サイン会

 八重洲ブックセンター本店で行われた、田丸雅智さんのワークショップ&サイン会に参加してきて、呟きました。

 三連休の最終日、皆様は、学園祭や取材、文学フリマ、マラソンなどお忙しかったようですが、私は八重洲ブックセンター本店で行われた、田丸雅智さんのワークショップ&サイン会に参加してきました。
 非常に楽しく有意義な一時でした。田丸さんは、非常に話慣れておられる様子で進行も上手かったです。
 当初は話を聞くだけの単純な講座と思っていたのですが、なんと実作の場でした。ワークシートを使い発想から想像を広げ、原稿用紙一枚の超ショートショートを仕上げるという内容でした。制限時間があり、久し振りに脳に汗をかいた気分でした(笑)。
 江坂遊さんの著作でやり方は知っていましたが、実際にやってみると大変でしたが、思わぬ言葉が共鳴して面白かったです。終わった後、では隣の人と見せ合いましょう、との声に皆、えーとの反応。まさか、人に見せることになるとは、焦りましたw。
 私のお隣は、後から知りましたが落語家の立川三四楼さんでした。今度お二人のイベントがあるそうです。
 練ったアイデアではなく、素のままのアイデアをすぐ見せるという恥ずかしい経験をしました。「春の小銃」という題でしたが、オチまで書けずに終わってしまいました。
 お二方ほど代表して発表されましたが、同調する階段、モッツァレッラチーズでできた駅、どちらも発想が素晴らしく、面白かったです。
「物語を作るのは楽しい。創作活動の根底には楽しさがある」と田丸さんが言われていましたが、そのとおりでした。アイデアから始め、一遍のSSまでを、その場にいる皆さんと一緒に作り上げる行為は楽しかったです。周りの皆さんも良い笑顔をされていました。長編小説とは違う、SSの醍醐味ですね。
 田丸雅智さん、書店員、出版社の皆様「めっちゃ、楽しかった」です。貴重な時間をありがとうございました。物語を紡ぐ喜びを、多くの人と共有できる楽しいイベントでした。
 おまけですが、為書きが筆名のサインを初めて貰いました。嬉しかったです。

田丸雅智さんサイン

 一人でコツコツ長編を執筆していると、喜びを見失ってしまう時があります。多くのものを犠牲にして、何をやっているのだろうと、ふと、思う瞬間があります。書き上げた喜びはいくつか知っていますが、紡いだ物語を多くの人に読んでもらうという喜びは、まだ知りません。
 おそらく、書き上げた喜びよりも、それは遥かに深くて高いのだと思います。田丸さんや、今日会場に来られていた方々を見て、そう思いました。

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